まずは現状を把握するところから始めます。
建物の年数や使用材料により対応方法、時期が変わりますので、現況と照らし合わせながら適切な修繕方法を導き出します。

診断の時期

01.不具合発生前

内視鏡で確認

理想的診断時期

配管の耐用年数を見据え、不具合が起こる前に診断を実施(概ね竣工後15年程度)

02.不具合発生後

排水通気管の破損

通例的診断時期

赤水発生、水の出が悪い、排水の詰まりなど不具合が出た時点で診断を実施

03.システム変更時

加圧給水ポンプ
増圧給水ポンプに変更中

スポット的診断時期

現在の設備システムを時代背景により改良する場合、配管が継続使用可能か診断を実施


診断の手順

事前準備

1.竣工図面閲覧調査
2.現地診断箇所調査
3.診断見積書作成
4.診断計画書作成

診断調査実施

1.アンケート調査
・戸々の漏水履歴や赤水発生、排水障害などの聞き取り調査
2.問診調査
・竣工図書の閲覧、過去の修繕履歴・点検記録結果調査
3.外観目視調査
・外観劣化目視調査、配管経路調査、使用管材調査
4.配管内部の閉塞状況や錆の発生状況の調査
 1.内視鏡調査(内視鏡を配管内部へ挿入する調査)
 2.サンプリング調査(抜管調査)
 3.X線装置計測調査(レントゲンによる内面調査)

01.内視鏡調査

配管内に内視鏡を挿入し、配管内の状況(腐食による閉塞状況等)を確認します。
配管の劣化進行度を確認するとともに配管材料の確認を行います。

給水管

内視鏡挿入
青銅製水栓エルボ現況
錆瘤の発生を確認
立管継手部分現況
硬質塩化ビニルライニング鋼管
コート継手
錆の発生を確認

排水管

内視鏡挿入
継手内部に錆の発生、スケールの付着
継手内部に錆の発生、スケールの付着

※スケールとは水に含まれるカルシウムやマグネシウム、シリカなどの無機塩類化合物。
非常に硬く水に溶けにくいため、いったん固着すると除去するのは困難。


02.サンプリング調査(抜管調査)

配管の一部を切取り(抜管)、経年劣化や管内の閉塞状況を調査します。
サンプリングした管は管の厚み(肉厚)を測定し、(推定)残存寿命を算定し今後の修繕時期算定に使用します。

給水管

半割り品内面 右側 洗浄後
半割り品内面 拡大
継手内部に錆の発生、スケールの付着
立管及び枝管端部に錆瘤発生
管端防食継手の接続部分は、錆の発生を確認出来ず

排水管

抜管前
抜管後
抜管サンプル
管内面に錆の発生、スケールの付着
サンプル管半割後
管内面及び継手内部に錆の発生、
スケールの付着